製品特長 性能

パウダクラッチ・ブレーキ
励磁電流対トルク特性

広範囲にわたって、トルクは励磁電流に比例し、トルクの制御性のよいことを示しています。
スリップ回転速度対トルク特性

励磁電流を一定に保てば、スリップ回転速度(駆動側ドライブメンバと被動側ドリブンメンバの回転速度の差)に関係なく、トルクを一定に保てます。
たとえば張力制御などの場合、巻径に応じてクラッチ・ブレーキのスリップ回転速度が変化しますが、スリップ回転速度に関係なく、単に励磁電流を制御するだけで、簡単にかつ正確なトルク制御ができます。
動作特性

図はパウダクラッチの連結時と開放時の動作を示しています。
励磁コイルに電流を印加すると、コイル抵抗(R)とコイルインダクタンス(L)によって決まる時定数(T=L/R)により、電流は急には上昇せず、指数関数的に上昇します。
トルクは電流からわずかに遅れて上昇します。
回転速度の上昇もトルクの上昇に準じて被動側の回転速度は駆動側の回転速度に近づいて行きます。
ゆっくりと回転が上昇するため、緩衝起動(クッションスタート)に有効です。
許容連続スリップ工率
パウダクラッチ・ブレーキは連続スリップで使用可能ですが、スリップによる発生熱でパウダをはじめとするクラッチ・ブレーキの各部の温度上昇を制限するため、
各機種ごとに許容連続スリップ工率が設けてあり、その範囲内で使用する必要があります。
なお、許容連続スリップ工率は自然冷却・強制空冷などによってその値が異なります。その値は各機種ごとに示していますが、自然冷却のときは入力回転速度によって、その値が異なりますので注意してください。

空転トルク
励磁電流を完全に遮断しても、パウダの残留磁気、ベアリングのグリース、シールなどの摩擦による機械損失によって空転トルクが生じます。
ブレーキの場合は、この空転トルク以下のトルク制御はできません。
クラッチの場合は、入力軸に引きずられて出力軸が回転しようとするトルク(つれ回りトルク)となり、ブレーキと同様にこのトルク以下は制御することができません。
この空転トルクは機種によって異なりますので各機種の仕様を参照ください。

ヒステリシスクラッチ・ブレーキ
励磁電流対トルク特性

広範囲にわたって、トルクは励磁電流に比例し、トルクの制御性のよいことを示しています。
摩擦によらないで電磁的にトルクを伝達しますので、励磁電流に対して安定に動作し、何回くりかえしても正確なトルクを伝達します。
なお励磁電流の増減によるトルクヒステリシスが最大で定格トルクの数パーセントあります。
スリップ回転速度対トルク特性

励磁電流を一定にしておけば、スリップ回転速度に関係なくほぼ一定のトルクが得られます。 この性能は張力制御や速度制御には理想的なトルク特性です。またスリップ回転速度がゼロでもトルクが伝達できますので、完全連結も可能です。
許容連続スリップ工率
ヒステリシスクラッチ・ブレーキは連続スリップで使用可能ですが、スリップによる発生熱で各部は温度が上昇します。
この温度上昇を制限するため、各機種ごとに許容連続スリップ工率が設けてあり、その範囲内で使用する必要があります。
なお、その値は入力回転速度によって変化しますので注意してください。

残留トルク
ヒステリシスクラッチはスリップ状態で励磁を切れば残留トルクは残りませんが、第一回転子と第二回転子がスリップしていない
(直結)状態で励磁を切れば、残留トルクが発生し、回転させるとリップル状のトルクむらが残ります。
しかし、残留トルクが発生しても第二回転子を固定し、第一回転子を回転させながら励磁電流をゆっくり上げ下げすれば、残留トルクを消すことができます。