FA業界コラム ~識者の視点~

成果が見えるIoT導入 西雪弘氏
2021年5月公開【全3回】
要旨
現代の国内外の社会情勢やFA業界動向から、製造業の “いま” を読み解く、「FA業界コラム ~識者の視点~」。製品開発などFA業界に深く携わってきた当社社員が、皆様のビジネスに役立つ、新たな気づきにつながるヒントをお伝えします。
今回は、当社FAソリューションシステム部 部長の西雪弘が “成果が見えるIoT導入” をテーマに全3回にわたりお話しします。
IoTをどのように活用するかは、同じ製造業でも現場によって多種多様です。しかし多くの現場で共通する課題解決につながるユースケースとして、「工具摩耗診断」、「可視化」、「予知保全」があります。今回はそれぞれのユースケースについて、IoT導入による具体的な効果などご紹介します。

西雪弘(にしゆき ひろし)
1970年、三重県生まれ。九州工業大学大学院情報工学研究科情報システム専攻修士課程を修了後、 1994年三菱電機入社。名古屋製作所・FAシステム部に所属し、シーケンサのユニット開発に従事。2017年、Mitsubishi Electric Europe B.V.(ドイツ)に出向。FA-European Development Centerに所属し、欧州におけるFAに関する市場動向調査、欧州市場向け開発等に従事。2020年、名古屋製作所に帰任。FAソリューションシステム部に所属し、IoT市場における当社及びパートナ製品によるe-F@ctoryソリューション展開に従事。現在はFAソリューションシステム部 部長を務める。
製品・ソリューション紹介
リアルタイムデータアナライザ
生産現場の予防保全、品質向上等を簡単に実現するデータ分析・診断ソフトウェアです。生産現場データのリアルタイム診断とオフライン分析を一製品で実現します。AI技術と様々な統計手法により生産現場のデータ活用を実現し、お客様の企業価値向上に貢献します。
e-F@ctory支援モジュール
シーケンサと表示器により生産現場レベルのIoT化を支援するサンプルプロジェクト。
- ・見える化や簡易分析などのプログラムをサンプルプロジェクト形式で提供。
- ・パラメーター設定などの基本設定のみで、簡単にIoT化を実現。
MELSEC iQ-Rシリーズ “システムレコーダ”
三菱電機が提案する次世代トータルソリューションの中核。
激しい市場競争に打ち勝つために、生産性が高く、製造品質の安定したオートメーションシステムを構築したい。
このようなお客様の課題を、MELSEC iQ-Rシリーズは「TCO削減」「信頼性」「継承」の3つの視点から解決します。
iQ Monozukuri工程リモート監視
複数装置の情報収集、見える化、一括管理を可能とするアプリケーションパッケージ。
- ・既存設備へ組み込んで簡単にシステム構築、情報の一括管理が可能。
- ・同梱のテンプレート画面で設備の稼働情報、アラーム情報を表示・データ分析ができる。
GENESIS64™
FAとITのデータを一元的に管理し、データの監視・分析を行えるオープンなIoTプラットフォーム。
- ・異なるシステムから取得したデータを体系的に整理し、見える化できる。
- ・Webブラウザやモバイルアプリを介した監視など機器を選ばない監視システム構築が可能。
3Dモデル・ARにも対応。
iQ Monozukuri工作機械工具摩耗診断
IoTデータ活用により工具運用の最適化や加工不良の自動検出等のコスト削減、品質及びタクトタイム改善を支援。
- ・工具の切れ味を判定し、工具寿命を予測。工具寿命を「残回数」で 確認できるため、誰でも寿命まで工具を使用することが可能。
- ・複雑な加工でも過去のIoTデータを機械学習し、学習結果から加工の出来栄え予測が可能。
- ・様々な加工別に加工時の特徴量から刃折れ・刃欠け・ワーク不良を閾値にて即座に判定し、加工不良を検出。
iQ Monozukuri工作機械工具摩耗診断 導入評価支援サービス
「導入したいが費用対効果の算出が難しく、社内稟議が通らない」「データサイエンスツールやAIを導入してみたが、思うような結果が得られない」といった声をよく耳にする。そうしたお客様に対して当社がご用意しているのが「導入評価支援サービス」だ。機材の貸出・設置からデータ分析・分析レポートの提出などお客様の状況に応じて3種類のサービスを提供することで、お客様のIoT導入を強力にサポートする。