- FAQ番号 : 10690
- 公開日時 : 2012/02/23 22:38
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慣性モーメントが大きすぎると、機械の運転状態が不安定になる?
慣性モーメントが大きすぎると、機械の運転状態が不安定(振動発生など)になる
と聞くがなぜか? またその対策は?
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回答
◆負荷の慣性モーメントがサーボの安定性に大きな影響を与える
サーボ制御の安定性を決める要素として、サーボモータの軸の慣性モーメント※
と負荷慣性モーメントとの比率(慣性モーメント比)が挙げられます。サーボモー
タはモータ自身の軸慣性モーメントに対し負荷側の慣性モーメントが大きすぎると
モータ軸が負荷によって振り回されるようになり、制御が不安定になります。
一般に慣性モーメント比は小さいほど良く、モータ軸の慣性モーメントに対して
負荷慣性モーメントは5倍〜10倍以下(モータのシリーズによって異なる)で使
用することを推奨しています。モータを選定する場合も、この値を目安にして選ぶ
必要があります。
※慣性モーメント:回転体の慣性、自力で回り続けようとする能力。
◆負荷の変化に敏感に反応させるほど、不安定になりやすい
サーボ制御では、サーボ指令量とフィードバック量を使用し、逐次指令に追従す
るようにモータを制御しています。
負荷の大きさが急に変化した場合、制御系はできるだけモータの変動を押さえ、
指令に追従させようとしますが、制御系が変動に敏感に反応しすぎると不安定にな
りやすくなります。
このよう場合、一般にゲインを下げ、感度を落とすことで不安定現象を回避しま
す。また、機械が共振するために不安定になることもあり、この場合は機械側で機
構を補強するなどの対策が必要となります。
【ポイント】:サーボ制御の能力を発揮できる機械の条件
・負荷慣性モーメントがモータ軸慣性モーメントの5倍以下。
・「がた」、「ねじれ」や「振動」が少なく剛性が高い機械。
・モータの取付け部が強固な機構である。
- 製品名
- ACサーボ
- 製品分類
- 汎用インタフェースアンプ
- シリーズ
- MR-J2